福祉職員は、知的労働者です。
毎瞬間、判断の連続の中で働くプロフェッショナル。
まず、その定義から始めましょう。
「うちの職員は、自分で考えてくれない」
そう感じたことはありませんか?
それは、職員のせいではありません。
環境が、そうさせてしまったのです。
職員は採用のとき、履歴書を書いたとき、面接を受けたとき、志に満ちていたはずです。
「誰かの役に立ちたい」という気持ちがあったからこそ、この業界の門を叩きました。
それがいつの間にか「言われたことだけやる人」になっていく。
これは職員の責任ではありません。環境が、そうさせてしまったのです。
環境が作り出したものです。
では、なぜ環境がそうさせるのか。
そこには「知的労働者」という視点が欠けているからです。
福祉職員は「知的労働者」です。
介護職員・保育士・支援員——一見、身体を使って働く人たちに見えます。
でも、実態を一日だけ観察してみてください。
利用者の表情から「今日は何か違う」を読み取る判断。複数の方の状態を把握しながら優先順位をつける判断。家族の要望と施設の方針の間でバランスをとる判断。——これらはすべて、マニュアルに答えが書いていない「知的判断」の連続です。
知識労働者とは、自らが何をすべきかを自分で決めなければならない人間である。
― ピーター・ドラッカー
「体を動かしているから肉体労働者」という見方は、福祉職員の本質を見誤っています。
5つの論点で、肉体労働と比べてみましょう。
知的労働者が本来の力を発揮するには、「情報」というエネルギーが必要です。
目的・方向性・判断基準——そういった情報なしには、正しく動くことができません。
あなたの施設で、その情報は届いていますか?
情報が届かないと、
職員はどうなるか。
情報という栄養が届かない知的労働者は、こうなります。
「自分で判断せざるを得ない」のに、判断の根拠がない。
何が正解かわからないまま、不安の中で毎日をこなすだけになる。
「情報という栄養を与えられないまま、必死に生き延びている職員」の姿です。
では、職員にはどんな情報が必要なのでしょうか。
大きく4つに整理できます。
| 種類 | 内容 | 欠けると |
|---|---|---|
| ① 方向情報 最重要 |
法人→施設の方向性・ビジョン・今年度の目標 | どこに向かえばいいか分からない。共通言語が生まれない |
| ② 対象情報 | 利用者の状態・背景・ニーズの変化 | 画一的なケアになる。個別対応ができない |
| ③ 環境情報 | 制度改正・処遇改善・職場の状況変化 | 先が見えない。漠然とした不安が募る |
| ④ フィードバック情報 | 自分の行動への評価・利用者からの反応 | 成長実感がない。やりがいを失う |
現場で最も欠けているのは、①の方向情報です。
直接処遇とは一見遠い情報に見えますが、これが後から最も効いてきます。
職員の判断基準を形成し、チームとしての一体感を生む根拠になるからです。
まず、職員を知的労働者として
定義し直すことから。
「どこから手をつければいいか分からない」という方は、
ご支援内容もあわせてご覧ください。
